思いつくまま ヒーロー回顧懐古「スペクトルマン」

宇宙猿人ゴリ

「スペクトルマン、スペクトルマン」と高らかに歌われるオープニング主題歌のイントロの映像には「宇宙猿人ゴリ」のロゴ。
この作品は2回タイトルが変わります!(色々な事情があったのでしょう)
宇宙猿人ゴリ、宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン、そしてスペクトルマンと3つのタイトルを持つヒーロー作品です。
「次回からこの番組のタイトルがスペクトルマンに変わります、次回のスペクトルマンは・・・。」
と言う「手のひらを返したような」予告編のナレーションが印象的でした。(本作は本放送以来視聴していませんので記憶はあやふやですが ^^)
「敵役の名前がタイトル」と言う不思議なスタートでした。そして主人公の属しているのは「公害Gメン」。
ウルトラマンでおなじみの特殊なメカや武器を持つ「なんとか隊」ではなく、公害を調査する組織です。ただ、怪獣と関連する事が多くなった為、後半では「怪獣Gメン」としてヘルメットや隊員服、「ボントトルエカ」というヘリコプターを使用し活動することになります。ですが、前半は本当に普通の組織だったのです。
初期の怪獣は公害モチーフでした、当時公害は大変問題になっていました、このままでは地球に人間が住めなくなる、というテーマの作品も多く作られていた頃です。いや、架空のお話だけでなく実際もそのように懸念されていた時代でした。そんな世相を受けてか、地球制服を狙う天才科学者ゴリによって公害伝染病の媒体となる「公害人間」に変えられた人間なども登場します。けっこう重く暗い話もありました、そして・・・。

悲しき天才怪獣ノーマン

このノーマンと言う怪獣、今なら「かわいい」とか言われてしまう造形かもしれませんが・・・。
この話、私には凄く怖かったんです、ほんとに ^^)
ある博士が開発した「知能を飛躍的に進歩させる」手術を受けた犬が「天才犬」になるんですが、実はこの博士、本人も気づかぬうちにゴリに操られています。
そして登場するのが知的障害をかかえ、いつも人から「からかわれて」いる青年。
彼は人体実験の被験体として犬と同じ手術を受け、「天才」になります。もう人からバカにされなくてよい、と。
ある日、天才犬が生肉しか食べなくなり、その青年の指にかみつきます、やがてその犬は怪獣になってしまうのです。看護婦(まだこのころは婦 ^^)の頭(脳)を食いちぎって体は捨てる、今では到底できないだろう表現もありました。(そりゃ胴体はマネキン人形みたいでしたが、それにしてもTVの子供番組ですよ!)
その回の最後、遂にスペクトルマンによって倒される怪獣となった天才犬。
それを見ていた青年はこう思うのでした。
「同じ手術を受けた自分も、いつの日にか怪獣になるのだろうか・・・。」
それまで普通に番組を見ていた小学生の私は、ここで凍り付きました。
人が怪獣になってしまう話はほんと怖かったんです。
よっぽど影響を受けたんでしょう、その夜から暗がりが怖くなりました。夜のトイレも怖い(笑)
そんな1週間が過ぎ、次のスペクトルマンの日がやってきます。5歳下の妹はテレビの前で無邪気に放送を見始めます。
私はと言うと、見る勇気が出ずに風呂に逃げ込んでしまいました ^^)
しかし、これが「音」が風呂まで聞こえるんですよね(笑)
音や声だけで勝手に怖い想像をしてしまっていたと思います。
いつもより長く風呂にいた私が上がったころ、番組はクライマックスでした。
ノーマンになってしまった青年はスペクトルマンに懇願しています。
ぼくにはまだ人間の意志が残っている、人間として死なせてくれ、と。
スペクトルマンによってノーマンは倒されるのでした。
実際に見てはいないので、いまだに話の詳細は知りません・・・。

ネヴィラ71、変身願います!

ところで、スペクトルマンで思い出すのがこれ。
変身するのに遊星ネヴィラ71(ナナイチ)の許可が必要なんです。しかもスモッグなどでネヴィラ71が見えていないと許可申請さえできないという・・・。
ネヴィラを目視するため車で走ったり、軽飛行機で雲の上に出たり。
時にはネヴィラから変身許可が出なかったり(!)と、何とも不便なヒーローだと思ったものでした。
「ネビュラ71!変身願います!!」
「スペクトルマンニ告グ、タダチニ変身セヨ!」
これでやっと変身です ^^)

第2期怪獣ブームの先駆けとなったスペクトルマン。
ノーマンの回を見ないように風呂に逃げ込んだ小学生のころから既に46年近くの歳月が流れました。
いつの日か(ノーマンを怖がらずに)全話観直してみようかな?と思っていたりします。
2018/02/16

ABOUTこの記事をかいた人

「LR総合開発研究所」所長、通称 先生。 ラブレイブを舞台裏でサポートしています。 「仮面ライダー」はもとより、「ウルトラQ」もリアルタイムで体験した世代です。(笑)